若者の神戸移住を促進?

 最近の神戸市の施策を見ていると、疑問を感じることがある。例えば、神戸市への移住促進(LIVE LOVE KOBE)などは、宿泊施設もないような地方においては現地に宿泊してもらうよう住居を提供することは必要があるだろうが、神戸市においてはホテル等も十分存在しているのだから、わざわざ行政がこれを行う意味があるのだろうか。(移住したい人は、自分で宿泊して調べることができる。)さらに、移住に結びついたのは2名とのことであるが、過疎の町で2名定住させれば効果は少なくはないが、150万都市の神戸市ではいかほどの効果があったと言えるのか。また、若者の定住促進のため、奨学金償還の補助を行う検討もされているようであるが、他の府県が狙いとするところの、そもそも若者が少なく地元企業での採用が困難となっているという状況の解消ということも、神戸市とは状況が大きく異なっているように思う。神戸市の若者の流出は、元々若者が多くいるのに神戸に大手企業の大規模な支店等の集積がなく、若者の働く場所(いわゆるオフィスワーク)が少なく、結果的に若者が流出してしまうことに尽きる。問題の本質に即した解決策を取るべきだ。本質と関係のない施策に資源を分散投入するべきではない。神戸市は、都市周辺人口2000万人の三大都市圏のうちのひとつにあるのだから、地方の小都市の施策を模倣するのではなく、もっと神戸の属性をよく考えて施策を検討するべきではないかと思う。

 

 

若者の神戸移住を促進

市では『神戸2020ビジョン』や『神戸創生戦略』で、「若者の転入を増やし、東京圏への転出超過 年間2,500人の解消」を目標に掲げています。その施策として、移住促進に向けた都市プロモーションに取り組んでいます。

「LIVE LOVE KOBE」とは

神戸への移住を検討いただく後押しとして、県外在住の20~49歳の若者を対象に、神戸に無料で宿泊していただく事業です。日数は、3~13泊の間で選択でき、滞在中に地元の方が案内する「神戸人体験ツアー」(有償)に参加していただきます。

 昨年は、12月中旬から2月にかけて実施し、1,119件の応募がありました。抽選で27組42名の方が参加され、2名の方がこの体験をきっかけに神戸に移住されています。

(平成28年8月2日 神戸市ホームページより)

http://www.city.kobe.lg.jp/information/public/pro/1507/160802.html