作文行政からの脱却?

「役所に計画のたぐいが多い」ことを挙げて「作文行政からの脱却」を、久元市長は主張している。

 そもそも、「計画」を策定する意義としては、単に主観的な目標を示すだけのものではなく、現状を客観的、総合的に把握し、利用可能な人的物的資源を洗い出し、その上で合理的かつ理想的な目標を示すことにある。さらに、その計画が、行政だけでなく、市民や企業等の各主体に対しても活動の指針となって、それぞれが同じ方向に向かって進み、全体として理想的な状態を相乗的に実現していくという効果がある。

 計画がもし上記のようなものでないならばその点については改善をすべきであるが、行政が計画を行うことは、本来的には意義のあることであり必要なことだ。特に、今日では行政が直接できることは限られている。全体に対して適切な方向性を示す計画の役割は決して失われていないと思う。