2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ポートライナー新線計画(その1)

以前に、ポートライナーの輸送力増強、新神戸駅とのアクセス改善を目的とする、ポートライナーの新線構想について述べた。これをわかりやすくするため、地図に書き込んでみると上図のようになる。 新線のルートは、新神戸駅から生田川沿いに南下し、国道2号…

関西3空港懇談会とりまとめを読む(その2)

2.現状・本懇談会の問題認識 2010 年の本懇談会取りまとめ以降、関西の航空需要は大幅に拡大している。特に、訪日外国人は、政府のインバウンド促進施策や各地域の取り組み等により、2018 年には3千万人まで劇的に増加した。関西空港は、こうした訪日観光…

関西3空港懇談会「取りまとめ」を読む(その1)

2019年5月11日に開催された関西3空港懇談会の「とりまとめ」を読んでみた。副題は、「関西全体の発展に繋がる関西3空港の最適活用に向けて」となっている。 1.関西3空港の経緯 関西国際空港(以下「関西空港」)、大阪国際空港(以下「伊丹空港…

神戸空港 規制緩和後1ヶ月の動き

2019年5月11日の3空港懇の開催後1ヶ月の進捗状況について、記者の質問に対して久元市長は次のように答えた。 3空港懇談会で非常に大きな前進があったと思うのは、発着枠の拡大と時間の延長ですね、これは明確な形で決定されました。これを活用させ…

神戸市の「人口減少対策」について 久元市長会見

定例の記者会見で、神戸市の人口が川崎市に抜かれて7番目となったことについて、久元市長は次のように述べた。 人口減少対策についての取り組みが十分ではなかったということだと思いまして、私自身このことは大変申しわけなく思っております。ぜひこの人口…

ポートライナーの新神戸延伸について 久元市長会見

技術的に申しますと、ポートライナーは三宮の直前で大きくカーブしてポートライナーの駅に入るわけですね。新神戸駅に延伸するとなると、ここに新たな駅をつくらなければなりません。これは全く不可能ではないかもしれませんが、現実にあのエリアはもう既に…

関西国際空港 泉州沖決定経緯(その5)

関西3空港問題で、問題として指摘されるのはいつも、廃止が決まっていたのに存続を主張する伊丹空港であり、関西の3番目の空港となる神戸空港である。しかし、関西国際空港の建設場所決定の過程を見てみると、実は、関西圏の航空需要の増加に対応するとい…

関西国際空港 泉州沖決定経緯(その4)(佐藤 章「関西国際空港」を読む)

関西国際空港が、現在の泉州沖に決まった昭和49年航空審議会答申を読むと、交通機関としての利便性や建設費などの基本的性能ではなく、それ以外の要素が判断材料に多く盛り込まれていたことがわかる。 このあたりの背景を伺い知るのに、佐藤 章「関西国際…

神戸市の眺望規制について

神戸は、六甲山系の山並み、海や港と市街地が一体となった景観や、西北神地域の豊かな自然と田園集落の景観など、変化に富んだすばらしい眺望景観に恵まれており、これらは神戸のまちの魅力の重要な要素となっています。 神戸市では、優れた眺望景観を次世代…

なぜ神戸は没落するか(森嶋通夫「なぜ日本は没落するか」を読む)

著者の森嶋通夫(もりしま みちお、1923年7月18日 - 2004年7月13日)は、世界的に著名な経済学者である。森嶋通夫「なぜ日本は没落するか」(1999年3月 岩波書店)は、バブル崩壊後の停滞に陥ったわが国の状況について分析し、将来を展望するとともに、…

関西国際空港 泉州沖決定経緯(昭和49年航空審議会答申を読む(その3))

審議会の答申を読んでみた所感は次の通りである。 全体的に、当時最有力と目されていた神戸沖の評価が辛いのが目につく。上の表に示したように、17人の委員が投票した各比較項目の点数の平均をとり、各候補地に順位を付してみる。すると、泉州沖は1位項目…

関西国際空港 泉州沖決定の経緯(昭和49年航空審議会答申を読む(その2))

新空港の位置を選定するにあたって、審議会は7項目を候補地の選定条件として定めた。 (1)航空機の発着が安全であること (2)空港が利用者にとって便利な位置にあること (3)建設が容易であること (4)公害の少ないこと (5)既存権益との摩擦が少…

関西国際空港 泉州沖決定の経緯(昭和49年航空審議会答申を読む(その1))

関西国際空港が、泉州沖に建設することが決定的になったのは、昭和49年8月に発表された運輸省の航空審議会答申である。この答申の考え方はどのようなものであったのであろうか。当時の答申を読んでみた。 答申は、その冒頭で、「規模及び位置」として、「…

神戸空港規制緩和合意 日本経済新聞

関西国際(関空)、大阪国際(伊丹)、神戸の関西3空港の規制緩和をめぐる議論に一定の結論が出た。(中略)神戸空港は2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)までに国際線就航を検討することになり、6年以内の実現に向け動き出した。 (2019/6/2 日本…

北神急行 事業譲渡問題(その4)

新聞の報道によれば、北神急行の資産は400億円、負債は約650億円で、250億円の債務超過である。一般に、企業の買収を行う場合は、資産と負債との差額の純資産を買収額として算定するのが基本的な考え方である。今回の事業譲渡では、資産と負債を切…

迷走する神戸市政

久元神戸市長は5月30日の定例記者会見で、神戸市の人口が川崎市の人口を下回ったことについて、東京への「一極集中の1つの表れ」だと分析し、「東京発の情報がどんどん増え続けていて、地方は東京のマスメディアから、ないがしろにされているのではない…