ふるさと納税の流出超過対策

 総務省は29日、全国の自治体が2021年度に受け入れたふるさと納税の寄付総額が前年度比1.2倍の8302億円だったと発表した。寄付件数は同1.3倍の4447万件で、いずれも過去最高を更新。利用者数が拡大し、寄付総額は16年度から5年で約3倍になった。

(中略)

 21年度の寄付金額が伸びている理由について、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクは利用者数や返礼品の種類が年々多くなっていることを挙げる。ビールや化粧品など有名企業の商品を返礼品に採用する自治体も増えているという。同社によると21年以降は、ふるさと納税の「普段使い」の傾向が強まっているという。ティッシュペーパーやトイレットペーパーなど雑貨・日用品の21年度の寄付金額は19年比で1.5倍に伸びた。物価の高騰もあり、22年はさらにこの傾向が強まる可能性があるという。

朝日新聞 2022/7/30)

 

 ふるさと納税は、個人が地方自治体に寄付を行った場合に、寄付した額のうち2千円を除いて全額税額控除を受けることができる制度である。寄付を行った人へその地方自治体が返礼品を贈ることが認められており、返礼品を目的として寄付が年々拡大している。いくら多額の寄付をしても、結局は2千円を除いて全額税額控除してもらえるので、寄付とはいうものの、実態としては2千円で返礼品を買うことに等しい。返礼品は寄付額の30%までとされており、高額な寄付をした方が高価な返礼品をもらうことができる。たとえば、10万円を寄付すると3万円相当の返礼品がもらえることになり、それに要する費用は一律2千円で、2千円で3万円相当の品物を手に入れることができる。費用対効果は、2千円と3万円で、実に15倍の投資効率である。そのため、ふるさと納税は一種の節税の手段となっている。この差益は誰が負担しているのかというと、寄付を行った者が居住する地方自治体、市や県である。

 返礼品を求める動機については、主に二つのパターンがあると考えられる。一つは、通常であれば買わないような豪華な品物を、2千円で手に入れようとするパターン。もう一つは、現在の生活費に充当しようとするパターン。これまでは、どちらかというと前者のパターンの方が主流であったと思われるが、経済環境が厳しく、物価が高騰しつつある状況下においては後者のパターンが増加するのではないかと予想される。

 上記の記事は、その予想を裏付けるものだ。

 

 神戸市では、ふるさと納税の収支については、制度発足以来、大幅な流出超過が続いている。

 当ブログで、神戸市のふるさと納税の流出超過を改善する方策として、日常用品に相当するものを返礼品に加えることを提案していた。上記の記事は、その方向性を支持するものだと考えられる。神戸は大都市圏にあって、その消費需要を満たすための多くの品物を産出している。酒、ビール、小麦粉、食用油、調味料、パスタ、総菜、菓子・・・。日常用品のセレクトには事欠かないはずだ。日常で、日々消費するものをパッケージ化し返礼品とすべきだ。大量に発注し、より安価に調達できれば、いっそうパッケージのお得感が強まるだろう。返礼品を、神戸牛やファッション用品、神戸ブランド用品など、いわゆる特産品やブランド品に限るのではなく、日々家庭で消費するものをパッケージ化してラインアップすることがよいと考える。そして、それは、神戸に所在する一般企業のPR、市場拡大にも寄与するはずだ。

 

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三宮の魅力は6つの駅があること?

 神戸市の久元喜造市長(写真)は8日の定例記者会見で、三宮再開発で神戸市の都心部にオフィスの供給が相次ぐことについて記者の質問に答え、「三宮は6つの駅があって交通も便利」であるうえに「東京や大阪の都心にはない『空気』を感じていただけるのではないか」と述べ、快適なオフィス空間の提供に自信を見せた。「三宮駅から北野坂に行くと、もう山に手が届きそう。すぐ南側には海も見える。旧居留地には歴史が育んだ、たたずまいもある」と神戸ならではの特徴を説明した。

(神戸経済ニュース 2022/06/08)

 

 久元市長が6月8日の記者会見で、都心部へのオフィスの供給が続く三宮について、神戸経済ニュースの記者から、神戸の魅力についてアピールしてほしいとの質問があった。それに対しての久元市長の回答が上の記事である。

 そのやり取りを、神戸市のHPでの市長会見の議事録から抜粋してみると、次のとおりであった。

記者: (略)これは直接新しくできた4施設とは関係ないんですが、JRの駅ビル、それからこのバスターミナルビル等、広いオフィスビルが確保されると。旧居留地にもその民間のオフィスビルの計画も出ていますねと。改めて、神戸の都心にオフィスを構えるメリットというのをどういうふうに。言ったら、神戸のオフィスを売り込んでいただきたいということですが、一言いただけますでしょうか

 

久元市長: やはり三宮は6つの駅があります。大変便利なまちであるとともに、この三宮の駅に立つと、目の前には山がありますね。すぐ北野坂に行くと、手が届くようなところに山がある。それから、すぐ南側には海がある。海と山が感じられるところ、こういう大きな大都会でそれを満たしているところってないと思うんですよね。それから、あとは、旧居留地など、神戸独特の歴史が育んできたまちのたたずまいというものがあるので、やはり東京や大阪の都心にはない空気というものを感じていただけるのではないかと。単なる大都会のオフィスということとともに存在する神戸らしい雰囲気や空気というものを感じていただければなというふうに思います。

 

 

 久元市長が言う「6つの駅」とは、JR、阪急、阪神ポートライナー、市営地下鉄山手線、海岸線を指す。確かにこれは大きな魅力だ。三宮は、市内の交通の中心地であり、関西圏の主要都市、京都、大阪、姫路、奈良とも多頻度、大量輸送の鉄道が直通するという抜群の利便性を誇っている。その点には間違いないが、それだけでは魅力の一端を語ったに過ぎない。三宮のもう一面の魅力、それこそが十分に気づかれず、活用されていないきわめて重要な魅力なのだが、三宮が長距離交通機関とのアクセスが極めて優れていることだ。すなわち、東海道・山陽・九州新幹線の全列車が停車する新神戸駅と地下鉄で2分、札幌、青森、仙台、東京、新潟、松本、高知、長崎、鹿児島、那覇など国内の主要都市を結ぶ神戸空港ポートライナーで18分で結ばれていること、それに加えて、西日本の諸都市とをくまなく結ぶ長距離バス路線網の拠点となる西日本最大級のバスターミナルが三宮駅に隣接して設置される。これだけの交通条件を備えているというのは、西日本に限れば、おそらく随一だろう。神戸、三宮に拠点を構えれば、特に西日本については、ほとんど日帰り圏に置くことができるのだ。これはビジネスにおいては相当のメリットだ。

 これらは、神戸の地理的、歴史的条件下で形成されてきたものだ。

 古くは大和田の泊として瀬戸内海、大陸との交通の拠点として反映した天然の良港を擁し、幕末以降は世界有数の神戸港として海外との窓口を独占してきたことから、神戸港を起点に鉄道網や道路網が整備されたことだ。今日、神戸港は、かつての独占的な地位を失ったが、その当時に形成されたインフラは健在である。神戸はその偉大な遺産を受け継ぎながら、そのすばらしさを十分認識できておらず、十分に活用してきたとは言えない。

 重厚長大産業が勢いを失った今、これを転換し、新しい時代にあった都市を形成する必要がある。それが、広域的中枢都市としてのオフィスや集客施設の集積という課題なのだと考える。

 神戸にどのような位置づけを与えるのかということで、6つの駅というのでは、単に兵庫県の都心という位置づけでしかない。三宮が兵庫県、神戸の都心というのは分かりきった話だ。神戸が挑まないといけないのは、国内の大都市との競争である。いかにしてブロックを超える超広域での都心の地位を確立するかが最大のポイントだと考える。

 

 近年、神戸市須磨区の流通業務団地や北区の複合産業団地等に大型の物流施設が相次いで建設されている。その理由は、高速道路を通じた西日本全域への利便性、労働力の確保のしやすさ、内陸部が津波被害などの心配もなく、防災面からも優れていることだという。(神戸経済ニュース 2021/04/20 「プロロジス、神戸テク・ロジでの物流施設5棟目の起工式」)

news.kobekeizai.jp

 

 これらは物流施設であるが、オフィスやその他の業務施設についてもこれらの点は立地選択の重要な要素であると考えられる。だから、アピールするポイントとしては、これらの点は欠かせない。市内で一番便利というだけでは、企業誘致には何の役にも立たない。せっかくアピールする機会が与えられたのだから、ポイントを外さずにしっかりアピールをすることが必要だろう。そして、神戸市の企業誘致が本当に重要なポイントをアピールできているかどうか、再確認することが必要だろう。

 

 

王子公園再整備計画が方針見直し

 神戸市は13日、一部の市民が反発している王子公園(神戸市灘区)の再整備計画素案で、遊園地を全廃する方針を改め、改修する動物園の建設ゾーンに「レクリエーション施設」を設ける考えを明らかにした。同じく撤去を予定したテニスコートや陸上トラックの一部も公園内に確保するよう変更。市はこの考えをもとに市民から意見を聞く場を設け、素案を見直す。
 市が同日、昨年12月に公表した再整備の素案を見直す「考え方と方向性」として資料を示した。市は素案で、現在の王子スタジアムを公園北側に新築移転して跡地に大学施設を誘致する一方、動物園にある遊園地や公園のテニスコート、プール、スタジアムの陸上トラックなどの廃止を表明。市民へのパブリックコメント(意見公募)で、既存施設の廃止や大学誘致に反対する意見が上がっていた。(以下略)

神戸新聞 2022/6/13)

 

 6月13日、神戸市が王子公園の再整備計画の見直し案を明らかにした。

 

20220620kensetsu6.pdf (kobe.lg.jp)

 


 新しい見直し案のポイントは次のとおりである。

(1)動物園の遊園地を全廃する方針を撤回し、現在地にレクリエーション施設を設ける。

(2)立体駐車場の建設場所を現在の遊園地の場所から公園の北東部に移す。

(3)スタジアム内に400メートルトラックを練習用4コース、テニスコートを2面と、現在よりも規模を縮小するが再整備する。

(4)大学誘致の方針は維持し、面積は当初の4ヘクタールから3.5ヘクタールに縮小する。

 

 これに対する意見を述べてみよう。

 今回の見直しで、王子公園に現存の施設が復元されることになり、より現在の姿に近くなり、そこへ大学を割り込ませるような姿が一層鮮明になった。

 やはり、土地の利用の在り方を抜本的に整理すべきなのではないだろうか。

 王子公園は、神戸の都心の三宮に程近く、三宮と大阪の間に位置し、阪急神戸線の王子公園駅に隣接し、JR灘駅にも近接するという非常に交通条件の優れた場所で、しかも全体で19ヘクタールという市街地では希少なまとまった区画の土地である、というのがその土地の属性である。この貴重な属性の土地をどのように活用するのが神戸市民全体の利益になるのかということが検討のポイントだ。

 その視点に立って考えると、現在の王子公園は、王子動物園は神戸市内外からの来園者を集める有力な観光施設であるが、陸上競技場等は十分有効に活用できているかどうかは、やはり検討の余地があるように思われる。また、陸上競技場や、スイミングプールやテニスコートなどは、近隣の住民にとっては慣れ親しんだ施設であるとは思うが、このような恵まれた施設を身近に活用できる環境をすべての市民が享受できているわけではない。灘区以外の市民は、交通機関を乗り継いでこれを利用してきた。それは、たまたま王子公園が近くにあったがために享受できた便益であるにすぎない。だから、代替の施設が市内や近隣に確保ができるのであれば、王子公園に必ずこれを設ける必要があるのかどうかは検討する余地がある。特にテニスコートなどはそれほど広大な土地が必要ではないから、代替地を確保することは容易なはずだ。南部のなぎさ公園などでもテニスコートぐらいの土地を捻出するぐらいはできるだろう。もっというなら、JRや阪神の高架下や、ビルの屋上でも設置が可能だろう。このような狭い土地で設置が可能なもののために、まとまった区画を確保するのはもったいない。また、アメリカンフットボールのスタジアムを建設するというが、その広大な土地を利用するのはいったい何人なのだろうか。利用者はきわめて限られた人々になると思われる。そのような限られた利用者のために、土地を専用使用させることは有効な土地利用とは思われない。だから、それらは埋め立て地などの低利用地を充てるので十分だろう。

 交通の便がよく、広大なまとまった区画は非常に貴重な土地だ。だから、大勢の人が訪れ、利用する、広い区画が必要な施設、例えば、動物園・遊園地や大学などは、おおむね妥当な利用ではないだろうか。少なくとも、現在の陸上競技場よりは有効な活用方法だと思われる。王子動物園は長年市民に愛されてきた動物園ではあるが、やはり老朽化し、現在の動物福祉の観点からは少々時代遅れとなっている点がある。今回の再整備で、公園全体の土地利用を見直し、より広い面積を確保し、新しい時代にあった動物園に転換すべき絶好のチャンスだと考える。

 

 また、廃止される予定だった遊園地は方針が撤回されたようだ。確かに、動物園の真ん中に立体駐車場を設けるなどは論外だから、これは妥当な判断だろう。ところで、「レクリエーション施設」とは何を指すのだろうか。現在のような遊具が設置された施設とは限らない。久元市長の嗜好だと、遊具は撤廃され、芝生広場や図書館などが設置されるのかもしれない。

 

 

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神戸商工会議所「神戸経済ビジョン」について

 神戸商工会議所が、2018年(平成30年)3月に、神戸経済の目指すべき将来像及び都市政策・産業経済政策を提言した「神戸経済ビジョン(OPEN ×CONNECT(広く開かれ、神戸でつながる)= 世界へ開き、融合と革新を続ける神戸クラスター  つながりを進化させる産学官のパートナーシップ =)」を発表している。

 これは、神戸港の開港150年を節目として、神戸経済界の立場から、中長期の視点に立って、神戸経済全体のあるべき姿を将来展望として掲げたもので、目標年度は概ね10年後の2030年頃として、内外の幅広い関係者とビジョンの共有をはかり、その実現に努めるとしている。

PowerPoint プレゼンテーション (kobe-cci.or.jp)

 

 同ビジョンは、

1 Overview 現状認識と課題

2 Classify 都市・産業経済政策の視点に分類した方向性

3 Vision 神戸経済が目指す将来像(ビジョン)

4 Project 重点プロジェクト

 の4つの章から成っている。

 

 神戸経済が目指す将来像(ビジョン)は、次のように示されている。(以下、引用はすべて、神戸商工会議所「神戸経済ビジョン」2018年3月から)

 

都市政策の5つの基本目標


● 世界にオープンに開かれエッジの効いた人材や企業が集まり、交流するまち

● 中心部に人・産業が緊密につながるクラスターを形成 コネクト&コンパクトなまち

● 快適に住み、学び、働き、何度でも訪れたくなるまち

● 海と山の景観・ロケーション オンリーワンの地域資源が人を魅了するまち

● 陸・海・空の交通ネットワークがシームレスに快適につながるまち 

 

 これらの基本目標のうち、2番目の「中心部に人・産業が緊密につながるクラスターを形成」という点が注目される。これについては、次のように解説が加えられている。

 2030年に向けた、神戸においては中心部に産業・都市のエンジン機能を凝縮し、そこで、多様な人・産業を「コネクト」(融合・結合)させ、イノベーション(革新)を生み出すクラスター(集合体)を形成することこそが、新たな成長の源泉となる。

 さらに、「神戸クラスター」について、次のように考え方を示している。

 「神戸クラスタ」の考え方

 医療産業都市という単一テーマのクラスターではなく、神戸の中心部の南北軸における多様かつ重層的な産業や研究機関の集積全体をクラスターとして位置づける。具体的には「健康・医療」分野のみならず「ものづくり」「観光・コンベンション」「スポーツ」「生活文化」「海事」など多様な産業を包括し、一つのクラスターと捉えるもの。

 

 このビジョンの実現に向けて、オール神戸で取り組むべき、「重点プロジェクト」として5つのプロジェクトを挙げている。

 

① 外国人材・企業誘致推進プロジェクト

  欧米に加えてアジアの外国・外資系企業の誘致を強化。

② 神戸広域観光圏周遊拠点化プロジェクト

  周辺地域を含む「神戸広域観光圏」として捉え情報発信・周遊発着拠点としての体制を整備する。

③ ヘルスケア&スポーツ産業創出プロジェクト

④ ものづくり+イノベーション創出プロジェクト

⑤ アライアンス・融合促進プロジェクト(販路拡大・事業承継)

 

 そして、重点プロジェクトを支える2つの 「基盤プロジェクト」を示している。

⑥ 活力創造につながる都市基盤づくり~ 神戸中心部 南北アクセス強化 ~

⑦ まちや産業に誇りをもつ人づくり

 

 その中の、神戸中心部 南北アクセス強化については、次の4つのルートを挙げている。

・三宮 - ウォーターフロント

・三宮 - 六甲山

神戸空港 - 三宮

神戸空港新神戸

 

 最後の神戸空港新神戸について、次の2つのプランが提示されている。

・神戸中央線(新神戸トンネルと港島トンネル)の接続による自動運転バスやBRTの運行
ポートライナー延伸

 

 

 上記の「神戸経済ビジョン」について意見を述べてみる。

 

 当ブログでは、神戸は、その地理的条件および交通条件から、中国・四国地方を後背地とする、地方ブロックを超える、超広域の中心都市、関西圏の西の玄関口として都市整備を行うべきだと考えている。そのコアとして、新神戸、三宮、神戸空港を結ぶ多頻度の交通機関を整備し、そこに広域の都市機能を集積させ、中国、四国、関西圏の中で、最も機能的な都市空間を構築することを提案している。

 すなわち、神戸の都市作りにおいて、神戸市150万人だけを対象とするだけではなく、兵庫県540万人、中国地方714万人、四国地方362万人を対象とする都市機能を考えることが必要だということだ。以上の人口を合計すると1600万人を超え、それは、兵庫県を除く関西圏1500万人、九州地方1200万人を上回る規模の経済圏となる。仮にこれらが一体的な経済圏として成立するならば、関西圏や九州地方に対しても優位性が生じることになるだろう。

 神戸商工会議所の「神戸経済ビジョン」は、「神戸クラスター」として新神戸神戸空港を視野に入れ、神戸の中心部の南北軸に都市機能を集積させるという点で、筆者の見解と大いに重なるところがある。

 しかし、どうしてそこにクラスターを作るべきなのかという必然性の説明が弱いという印象を受ける。また、同ビジョンは、幅広い産業分野をカバーしようとするがあまり、やや総花的な印象を受けるが、全体としては現在の神戸経済のプレイヤーを念頭に置き、その視点から描いているところがあるように思える。それは、地元の商工会議所とすれば、致し方がないところだろう。

 当ブログの提言では、現在の神戸のプレイヤーよりも、この広域圏の中でいかに高次元の機能的な空間を構築し、その圏域全体のプレイヤーから利用されるようにすることに主眼がある。つまりは、場の提供である。そこで活躍する者は、地元のプレイヤーとは限らない。しかし、より高度の都市機能を発展させるためには、広い圏域から有為な人材や企業を集める必要があるだろう。これに対して、神戸市が謳う「BE KOBE」は、「神戸の様々な魅力の中で、一番の魅力は人である」というメッセージとのことだが、神戸の人だから他より優れた魅力があるということはない。そのような偏狭なプライドではなく、全国、海外からも分け隔てなく、優れた人がやってきて活躍する都市であるべきだというのが筆者の考えだ。

 

 

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神戸阪急が全館改装

 阪急阪神百貨店を傘下に置くエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは12日、神戸阪急(神戸市中央区)を全館改装すると発表した。約80億円を投じ、都市型百貨店としてファッションや美容系売り場を強化。神戸の土地柄に合わせ、ライフスタイル提案型の売り場も展開する。全館改装は、阪神・淡路大震災で被災した「そごう神戸店」当時の1996年4月以来、26年ぶり。

 改装は、本館(地階~9階)と新館(地階~8階)の地階部分を除く9割で実施。2023年秋ごろまで続き、順次フロアをオープンする。

 

神戸新聞 2022/5/12)

 

 5月12日、H2Oリテイリングが、神戸阪急の全館改装を実施すると発表した。2019年10 月に、そごう神戸店から神戸阪急に変わったが、地階食品売場などの一部の改装が行われたのみで、全館改装は初めてとなる。

 そごう神戸店は、かつては、神戸の交通の中心である三宮駅に直結する地の利を活かし、大丸神戸店をもしのぐ地域一番店であった。しかし、震災で大きな打撃を受け、店舗の一部を縮小する形で再建されたものの、その後、積極的な改装は行われず、年々陳腐化し、百貨店が持つ華やかさは失われ、大丸神戸店に大きく遅れを取るようになってしまった。そごう神戸店から神戸阪急に変わったが、従来の店舗をそのまま継承する形であった。そして、今回、神戸阪急となって初めて、新しい経営方針の下、全館改装が行われることになった。近年、周辺都市での都市整備が進む中で、神戸都心の求心力低下が顕著になっていた。その主な原因の一つは、そごう神戸店の不振にあったことは間違いないだろう。今回の神戸阪急の大改装は、神戸商業の復活の契機となるものとして大いに期待したい。

 

◎ リモデルのポイント
 
① 都市型百貨店として期待されるハレ型の品揃えの強化・拡充 および 今日的な時代感を捉えた高感度コンテポラリー化 
 人口150万都市・神戸市の中心地にある百貨店として、下層階ではラグジュアリーやモードファッションのカテゴリーを強化し、化粧品や服飾雑貨の売場も一新、四国や中国地方など広域からの集客もねらいます。 
 対象フロア…本館1階~3階および新館1階~3階 オープン時期…2022年度中順次

 

② 独自性のある地域密着ライフスタイル型「神戸スタイル」ワールドの新設 
 都会でありながら、人の営みとすぐそばに海や山といった豊かな自然が共生する素敵な街「神戸」の百貨店として、中上層階を中心に、モノの情報発信だけでなく「洗練された華やかな暮らし」など、神戸の人の暮らしをイメージし、神戸の皆様の暮らしと共創するライフスタイル提案型の売場づくりを行います。
 対象フロア…本館4階~6階・8階 オープン時期…2023年度中順次

 

③ 新しい発見・驚きなどの楽しさ提案の強化 
 各フロアに情報発信スペース「パティオステージ」を新設し、神戸エリアにおける「楽しさ№1百貨店」を目指します。
 対象フロア…本館1階~8階 オープン時期…2023年度中順次

 

(株式会社阪急阪神百貨店エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社 2022/5/12)

 

神戸阪急・高槻阪急のリモデルについて (swcms.net)

 

 注目されるのは、神戸阪急が、150万都市・神戸市の中心地にある百貨店としてだけではなく、四国や中国地方など広域からの集客を狙うとしていることだ。

 

 神戸市の人口は150万人であるが、兵庫県の人口は約540万人である。さらに、関西圏(2府4県)の人口は約2000万人で、中国・四国地方の人口は約1100万人である。この構図の中で、神戸は、中国・四国地方と関西圏との交通の結節点にあたり、関西圏の西の玄関口の位置にあたる。神戸の都市戦略の要諦は、兵庫県以西の中国、四国地方の1600万人の中で第一の都市になることだ。

 都市の規模は、圏域の人口の規模で決まる。圏域人口が多ければ、相対的に僅少な需要であっても、実数的にはまとまった需要となり、一つの産業として成立しうる。これが都市における規模の経済効果であり、都市の生産性を決定することになる。たとえば、人口の1%でしか存在しない需要があったとすると、10万人の規模では成立しない産業も、その100倍の1000万人の規模になると一つの産業として成立しうる。そして、それが独立した産業となり、専門化することによってその生産性が高まる。同時にそれが都市全体の生産性を高めることになる。その生産性の高さを求めて、さらに人口や産業が集積するというのが、都市の発展のメカニズムである。

 神戸の都市政策においては、150万人を対象とした都市機能を求めるだけではなく、兵庫県、中国、四国地方を合わせた1600万人を対象とした都市づくりを考えるべきだと考える。それによって、より高度な都市機能を維持し、競合する他都市に対しても優位性を発揮できると考える。

 そうした考えに立って、兵庫県、中国、四国地方を見渡したときに、神戸は既に最大都市である。また交通条件的に中国、四国地方と関西圏との結節点の位置にある。圏域内で、仮にどこか1カ所に集まるとすれば、最も集合するのに便利な場所を選ぶだろう。同様に、その圏域内で1カ所だけ設置する施設があるとすれば、最も人が集まりやすい場所を選ぶだろう。神戸は、そうした場所を目指さなければなならない。

 この都市戦略の実現のために行うべきことは、新神戸~三宮~神戸空港を結ぶ交通機関の整備である。神戸は東西の主要な幹線が通っているが、結節機能が弱く、これを受け止めることができず、大阪に流れてしまっている。これを、いかに結節させ、素通りさせず、受け止めることができるかが大きな課題だ。現在は東西に通過してしまっている各交通機関を縦に結び、結節させることができるなら、そこに中国、四国地方のセンターが生まれるだろう。そこに人口1600万人を対象とした高度な都市機能を集積させることだ。これは夢のような話だろうか。現在でも神戸の旧居留地にはブランドショップが軒を連ねている。これは、兵庫県以西、中国、四国地方では最大の集積地だと思われる。その集積を生んだものは、単に神戸がファッショナブルな都市であるというイメージだけではなく、阪神間の高い購買力と、中国、四国地方からの流入を受け止めるのに適地と認められたものだと考えられる。この端緒を大きく育てるべきだ。

 今回、神戸阪急が、大きな視野を持ち、中国、四国地方など広域からの集客を狙うとしており、その成否は今後の神戸の発展を占うものとして注目される。

 

 

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新船「フェリーたかちほ」就航

 宮崎カーフェリー宮崎市)の新船「フェリーたかちほ」が就航した。宮崎と神戸を結ぶ航路は、宮崎県経済の「生命線」に位置付けられ、新船就航により、物流の活性化や観光振興が期待されている。
 就航から25年たった「みやざきエキスプレス」に代わる新船は、総トン数約1万4000トン、全長194メートル、幅27.6メートルと大型化。旅客定員は690人から576人に減ったが、客室の個室数を大幅に増やした。大型トラックの積載可能台数も33台拡充し、163台となった。

時事通信 2022/4/19)

 

 宮崎カーフェリーが、神戸-宮崎航路で新たに就航させた「フェリーたかちほ」が16日午前、初めて神戸港に入港した。これまで運航されていた「みやざきエキスプレス」は退役し、その後継として就航することになった。もう1隻の「こうべエキスプレス」も10月に退役し、新造船「ろっこう」と交代する予定とのことだ。

 このたび新造された「たかちほ」は、「みやざきエキスプレス」(総トン数  11,931トン、全長170m)より一回り大きくなり、大型トラックの積載可能台数は33台増加したとのことだ。また、客室の個室を大幅に増加させたとあり、物流機能の増加と観光振興の両方を狙いとしているようだ。

 農業県である宮崎県は外貨を獲得する産業として、農林水産業や製造業が大きな役割を果たしており、これらの産品・製品を大消費地へ安定して輸送することは重要な課題であり、また観光業も外貨を獲得する産業であることから、この宮崎ー神戸航路は宮崎県の『生命線』と位置づけられている。そのため、今回の新船建造については、オール宮崎県として取り組まれたということだ。

 

 宮崎カーフェリーは、従前は大阪南港を関西での発着地としていたが、2014年10月に神戸に移転した経緯がある。神戸港が、大阪南港よりも距離が近く燃料費等の経費の削減ができることと、高速道路、鉄道とのアクセスがよく、市街地に近いことから旅行客の利用の増加が見込めることが移転の理由になったようだ。宮崎県の作成した報告書(「宮崎カーフェリー株式会社の新船建造について 」(宮崎県総合政策部))を見ると、神戸移転後は、減少傾向にあった利用者数は上昇に転じ、年間177千人前後で推移しているようだ。

https://www.pref.miyazaki.lg.jp/gikai/committee/standing/R01/pdf/somu_R011205_02sogoseisakubu2.pdf

 

 交通機関の選択において、それに至るアクセスは非常に重要な要素だ。神戸港は道路網、鉄道網が優れており、また、港と中心市街地が近く、極めて機能性の高い港だ。それは、宮崎フェリーの移転とその後の実績によっても裏付けられた形だ。

 交通機関にとって、もう一つ重要な要素がある。それは、その交通機関そのものの観光的側面である。人々が船旅に求めるものはなんだろうか。ゆったりとくつろげる船内の空間や施設はもとより、船から眺める景色であったり、入出港時の港の景観や港町の風情であったり、こうした要素も重要である。神戸港はそうした港町のムードを色濃く持っている街である。神戸港の強みは、交通アクセスだけではなく、景観がすばらしいことだ。六甲山を背景に南側に開け、陽光が降り注ぐ明るい景観は比類のないものだ。それだけではなく、夜になれば、ポートタワーや海洋博物館、神戸大橋、モザイクの観覧車が美しくライトアップされ、1000万ドルといわれる夜景を堪能することができる。また、市街地が隣接し、クラシカルな旧居留地や、ブティック街、中華街もすぐそこにある。周囲に何もない物流施設のような港と比べると、旅行客はどちらを選択するだろうか。

 

 現在、神戸港のフェリーターミナルは、宮崎カーフェリーと高松・小豆島とを結ぶジャンボフェリーが発着する新港第3突堤の他、六甲アイランドのフェリーターミナルがあり、大分航路のさんふらわあ、新門司航路の阪九フェリー新居浜航路のオレンジフェリーが就航している。

 六甲アイランドは、鉄道からの距離も離れているし、市街地からも隔たり、乗降客は街を素通りをしてしまうだけだろう。神戸港の一部ではあるものの、港の中心部からは遠く、ポートタワーや神戸大橋などの一般の人々が思い浮かべる神戸港の風景や港町の風情とは程遠い。また、市街地からも、それらの船舶の姿が目に触れることは少なく、これではあまりにももったいない。

 以上のことから、神戸港のフェリーターミナルを神戸港の中心部に集約してはどうだろうか。集約の案としては、現在の新港第3突堤またはその周辺、たとえば神戸大橋東側の新港東埠頭が考えられる。

 フェリーターミナル移転により得られる効果としては、高速道路網とのアクセスが優れ、JR、阪急、阪神、地下鉄三宮駅から徒歩圏であり、市街地に近く、買い物や観光にも便利である。神戸空港ともポートライナー1本で結ばれていることも魅力だ。将来的に神戸空港から新神戸まで直通の交通機関を設けると、航空機や新幹線との連携による多様な旅行プランが可能となるだろう。さらに、神戸港の美しい光景や夜景を見ながら入出港ができることから、観光客の利用を促進する効果があるだろう。神戸の都市経済の観点からも、これまで、素通りしてしまっていたであろう乗降客の観光、消費需要も期待できるだろう。常に複数のフェリーが着岸し、入出港する光景は、それだけで観光資源となり、港の華やぎ、賑わいを増す効果が期待できるだろう。それによって、神戸港の魅力が増加するならば、新たなフェリー航路の誘致も考えられるのではないだろうか。

 

 蛇足ながら、当ブログの表題の写真は、ポートアイランドの北公園から神戸大橋と神戸の市街地を収めたものだ。その中央部に写っているのが宮崎フェリー(こうべエキスプレス)である。白と赤の船体、ブルーの煙突がとても美しい。

 

JR三ノ宮新駅ビル開発 計画概要が発表

JR三ノ宮新駅ビル開発について

 現在、神戸市は三宮周辺地区において、神戸の玄関口としてふさわしくにぎわいのある「人が主役の居心地のよいまち」を目指し、官民連携のもと様々な再整備を進めています。
令和3年10月5日にJR三ノ宮新駅ビル開発計画と三宮周辺地区の再整備についてJR西日本・UR都市機構・神戸市の三者が連携・協力して取り組みを進めるための協定を締結しました。
 このたび新駅ビルにおいて、JR西日本グループ・UR都市機構との共同事業としての推進並びに開発方針の方向性がまとまりましたので、計画の概要についてお知らせします。

(神戸市記者資料提供 2022/4/30)

 

 これまでベールに包まれてきた新JR三ノ宮駅ビルが、とうとう姿を明らかにした。

 計画の概要、スケジュールは次のとおりである。

 

(計画概要・スケジュール)

所在地   神戸市中央区雲井通8丁目1-2
用途    商業、ホテル、オフィス
総事業費  約500億円
敷地面積  約8,600㎡
延床面積  約100,000㎡
階数    地下2階、地上32階、塔屋2階
高さ    約160m

商業施設 :店舗面積約19,000㎡
ホテル  :客室数約 250室
オフィス :賃貸面積約 6,000㎡
広場空間 :面積約 2,500㎡(駅前広場上空デッキ)

着工予定 2023年度
開業予定 2029年

 

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 現在の三ノ宮のランドマークであるミント神戸(地上18階、地下2階、高さ90.6m、延床面積41,000㎡)と比較をすると、高さは約1.8倍、延床面積は約2.5倍と、完成後の姿を現地で想像してみると、その巨大さが実感できる。

 開業予定は2029年とのことで、やはり現在建設が進行している新広島駅ビルの完成(2025年)後に建設が本格化する形となりそうだ。しかしながら、これまで姿形がまったくわからなかった新三ノ宮駅ビルが具体的な形となって姿を現したことの意味は大きい。完成するのはまだまだ先だが、その存在を前提として様々な計画が進んでいくことになるだろう。

 

 いうまでもなく、三ノ宮駅の立地条件は非常にすばらしい。JR、阪急、阪神の各鉄道がターミナルを構え、京都、大阪、姫路と高速・大量・多頻度の鉄道で1時間以内で結ばれ、東海道・山陽・九州新幹線の全列車が停車する新神戸駅まで地下鉄で1駅、札幌、青森、仙台、新潟、東京、松本、高知、長崎、鹿児島、那覇等とを結ぶ神戸空港ともポートライナー1本で直結するという、長距離交通機関からのツーウェイアクセスが可能である。さらに、今後、西日本最大級のバスターミナルの建設計画(2026年供用開始予定)も進んでいる。まさに、中国、四国、九州との関西の玄関口というポジションにある。すべての道は神戸に通じている。神戸は、この交通条件を生かし、これらの地方の第一の都市、地方ブロックをも超える超広域の中枢都市を目指すべきだ。競合都市に対して、質で凌駕することはもちろん、質を高めるためには量を確保することも必要だろう。量があるから質も確保される。

 そのように捉えるならば、新JR三ノ宮駅ビルは、確かに巨大であるが、これで十分だろうか。その競合先として見据えないといけないのは、広島や福岡、大阪である。神戸の目指すべきは、これらの中の第一の都市である。これは中々容易いことではない。これらの都市の近年の発展はめざましいものがある。神戸の市民は、実際にそれらの発展ぶりを自分の目で確かめる必要があるだろう。

 新三ノ宮駅ビルは、三ノ宮の潜在的な立地条件の優位性を具現化する第一歩というべきもので、これを皮切りに、周辺をも含め、大胆に都市改造を進めていかなければならない。

 新幹線と空港のツーウェイアクセスは、今は三ノ宮駅という「点」にすぎないが、新神戸三ノ宮駅神戸空港を一本の交通機関で結べば、「線」にすることができる。この線上に都市機能を集中的に立地させ、国内有数の機能性を持つ都市を形成すべきだというのが筆者のビジョンだ。

 

 

 神戸空港に対する人々の目が変わりつつある。神戸空港の活用について、様々な場所で議論されるようになってきた。

 今年の3月9日に一般社団法人 日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)が国土・未来プロジェクト研究会を開催し、「神戸空港の機能強化と関西三空港一体運用」というレポートを発表している。その中で、神戸空港滑走路の3,000mへの延伸、国際化、24時間運用、アクセス鉄道の整備を提言している。

07_神戸空港の機能強化_本文.indd (japic.org)

 

 また、神戸空港の活用について、久元市長の次のような発言もあった。

 神戸市の久元喜造市長(写真)は27日、フジドリームエアラインズ(FDA)の神戸〜新潟便の就航記念セレモニーであいさつし、「新潟などから神戸に来ていただいたら、神戸で乗り継いで、海外に行けるようになる日はそんなに遠いことではない」と述べ、改めて神戸空港への国際線就航への意欲を示した。神戸市としても「(空港の運営会社の)関西エアポートとしっかり連携して、神戸空港の利活用、神戸空港のアクセス」の整備を進めることを強調した。

(神戸経済ニュース 2022/3/27)

 

 神戸空港の国際化は、もはや既定路線となっているようだ。神戸空港の国際化は、それと直結する三ノ宮の拠点性をますます高めていくに違いない。神戸が再び世界への窓口として脚光を浴びる日は、そう遠くないだろう。